2014/08/05 衝撃の出会い 第1話:『蓄音機との出合い』
2000年初頭の米国ジョージア州アトランタ。
アトランタ郊外の大田舎を走行中、道路際にあるーANTIQUES-の看板発見。
早速看板の案内に従って行って見ると、店というより、まるで納屋・・・
期待もせず、興味半分でドアを開けると、愛想のいいおばあさんが迎えてくれた。
彼女の話によると30年間もこの場所でこのお店をやっているそうである。

ここで、偶然にも・・1930年代のPhonograph(蓄音機)・・を見つけた。
店の中に並べられたガラクタ類に比し、唯一のアンティークらしい品物である。
この蓄音機は、マサチューセッツ州から持ってきたそうである。
ラッパのついた蓄音機と同じ機能だが、これは家具調でかなり大きい。
〔いいナァー、でもデサインはフランス製のがいいな〕・・などと思っているうちに、
彼女が、「これ動くのよ」 っと言って テネシーワルツ を鳴らしてくれた。
衝撃の音色。電気を全く使わないのに、レコードはしっかり回転し、店中に大音声が響く。パティーページが現れた感じ・・CDとは違いレコード針の雑音も交じる。
でも、感動!感動!感動!買う決心をした。

彼女の話によると、生まれは1920年、長女が1942年に生まれたそうである。
亭主がずーと同じであることも、彼女の自慢話である。
なんでもない彼女の話が、不思議とテネシーワルツの懐かしさと重なり
値段を値切る事など、邪悪の事のように思えてしまう。
店に来てたった10分間で、100$札6枚を支払う変な異邦人に、彼女は、
I was very surprised と声をだし、驚きと当惑を全身で表現した。
でも、本当に驚いたのは私のほうである。
ジョージアの片田舎で、80歳のおばあさんと70年前の蓄音機が奏でる
テネシーワルツのハーモニが、突然現れたのだから・・・
蓄音機が現役の頃にタイムスリップした気分である。
私は蓄音機と一緒に、懐かしきテネシーワルツの唄声を持ち帰るつもりでいた。
しかし彼女は、 「このレコードには私の青春時代の思い出が・・・」 っと言って
涙ぐんでテネシーワルツのレコードを絶対に譲ろうとしない。
$600を支払った後である。 視聴したレコードくらい付いているのは常識である。
普通なら意地でも交渉に臨む所である。
しかし、相手は涙ぐみ、必死に嘆願する老女・・・
こんな場合の交渉の術を僕は持ちえていない。

結局、78回転SPレコードの雑音と共に聴こえる懐かしき Patty Page の感動は
またいつ聴けるか分からない僕の思い出の中にしまわれてしまった。
テネシーワルツのレコードも手に入らず、たいした値引きもできなかったが、
気分は非常にさわやかである・・・なにか良い事をしたような、得したような・・・・
ジョージア州アトランタ郊外の名も知らぬ田舎町で偶然であった蓄音機
・・・良き思いでと共に、私はこの蓄音機を持ち帰った・・・

アトランタ郊外の大田舎を走行中、道路際にあるーANTIQUES-の看板発見。
早速看板の案内に従って行って見ると、店というより、まるで納屋・・・
期待もせず、興味半分でドアを開けると、愛想のいいおばあさんが迎えてくれた。
彼女の話によると30年間もこの場所でこのお店をやっているそうである。

ここで、偶然にも・・1930年代のPhonograph(蓄音機)・・を見つけた。
店の中に並べられたガラクタ類に比し、唯一のアンティークらしい品物である。
この蓄音機は、マサチューセッツ州から持ってきたそうである。
ラッパのついた蓄音機と同じ機能だが、これは家具調でかなり大きい。
〔いいナァー、でもデサインはフランス製のがいいな〕・・などと思っているうちに、
彼女が、「これ動くのよ」 っと言って テネシーワルツ を鳴らしてくれた。
衝撃の音色。電気を全く使わないのに、レコードはしっかり回転し、店中に大音声が響く。パティーページが現れた感じ・・CDとは違いレコード針の雑音も交じる。
でも、感動!感動!感動!買う決心をした。

彼女の話によると、生まれは1920年、長女が1942年に生まれたそうである。
亭主がずーと同じであることも、彼女の自慢話である。
なんでもない彼女の話が、不思議とテネシーワルツの懐かしさと重なり
値段を値切る事など、邪悪の事のように思えてしまう。
店に来てたった10分間で、100$札6枚を支払う変な異邦人に、彼女は、
I was very surprised と声をだし、驚きと当惑を全身で表現した。
でも、本当に驚いたのは私のほうである。
ジョージアの片田舎で、80歳のおばあさんと70年前の蓄音機が奏でる
テネシーワルツのハーモニが、突然現れたのだから・・・
蓄音機が現役の頃にタイムスリップした気分である。
私は蓄音機と一緒に、懐かしきテネシーワルツの唄声を持ち帰るつもりでいた。
しかし彼女は、 「このレコードには私の青春時代の思い出が・・・」 っと言って
涙ぐんでテネシーワルツのレコードを絶対に譲ろうとしない。
$600を支払った後である。 視聴したレコードくらい付いているのは常識である。
普通なら意地でも交渉に臨む所である。
しかし、相手は涙ぐみ、必死に嘆願する老女・・・
こんな場合の交渉の術を僕は持ちえていない。

結局、78回転SPレコードの雑音と共に聴こえる懐かしき Patty Page の感動は
またいつ聴けるか分からない僕の思い出の中にしまわれてしまった。
テネシーワルツのレコードも手に入らず、たいした値引きもできなかったが、
気分は非常にさわやかである・・・なにか良い事をしたような、得したような・・・・
ジョージア州アトランタ郊外の名も知らぬ田舎町で偶然であった蓄音機
・・・良き思いでと共に、私はこの蓄音機を持ち帰った・・・

Comment
検索でやって参りました。
蓄音機の音って衝撃的ですよね。
僕も衝撃を受けて蓄音機を実際に所有するに至ったひとりです。
それにしても立派な大型蓄音機ですね!
きっと大切にされて来たのでしょう。
残念ながらSP盤だけは売ってくれなかったようですが、探せばまだまだ色んなレコードは出て来ますので楽しまれると良いと思います。
また遊びに来させて頂きますね。
蓄音機の音って衝撃的ですよね。
僕も衝撃を受けて蓄音機を実際に所有するに至ったひとりです。
それにしても立派な大型蓄音機ですね!
きっと大切にされて来たのでしょう。
残念ながらSP盤だけは売ってくれなかったようですが、探せばまだまだ色んなレコードは出て来ますので楽しまれると良いと思います。
また遊びに来させて頂きますね。